令和6年度北海道そば大学講座in沼田學舎は「そばによる地域振興のため、人と人をつなぎ、社会を元気にする」をテーマに10月0月27日(日)、「夜高あんどん祭り」や「ほたるの里」で知られる雨竜郡沼田町ほろしん温泉ほたる館で130名が参加して開催しました。
主催者挨拶 守田 秀生北海道支部長
本日は全道各地から130名の皆さんに参加して頂き感謝申し上げます。各講座の講師はその道の専門家の皆様にお願いしました。初めての試みとして「若者とそば」と題したパネルディスカッションを第5講で行います。若い世代も手打ちそばの楽しみやそばに関わる喜びを感じてもらい「地域づくり」、「仲間づくり」を通じて人生の生き甲斐として多くの若い人に参加して欲しいとの思いで企画しました。そば大学の開催は「秩父別そば打ち同好会、そば食楽部北竜、沼田雪中そば倶楽部」が実行委員会を作り準備して頂き大変お世話になりお礼を申し上げて開会の挨拶とさせて頂きます。
来賓挨拶 沼田町長 横山 茂 様
沼田町を代表してそば大学を本町で開催して頂き感謝申し上げます。沼田町のそば作付面積は空知管内で深川市に次いで二番目です。沼田町は世界で初めて米の貯蔵に雪エネルギーを活用した貯蔵施設及び加工用トマト日本一を目指し取組みについてこの後の講座で紹介します。「ほたる」が飛び交う季節に改めてご来場をお願い申し上げて歓迎のご挨拶とさせて頂きます。
第1講 「楽しきかな わがそば人生」 相談役 加藤 憲 様
手打ちそばの出会いは平成5年12月浦和伊勢丹地下の職員食堂で地元の桜流蕎麦打ち研究会に招待されたことです。平成7年7月には分桜流彩の国蕎麦薀蓄の会を20人の仲間で結成しました。全麵協との出会いは平成10年4月初段位を合格以来、今日まで25年以上続いています。その間、段位認定部門を長年担当して手打ちそばの奥深さを知らされました。また、海外研修旅行には積極的に参加し、そば打ちを通じて人生が充実して、全国各地に素晴らしい人脈ができました。全麺協が30年間の長きにわたって存続したのは会員の皆さんの「無償の汗」よる協力とたゆまぬ努力の結晶です。こらからは創立40年に向けて、全麺協を持続可能な組織として、そば文化を絶やさぬように「楽しく心地よいそば人生を送りましょう」とエールを送って頂きました。
第2講 「雪と共生する町づくり」 沼田町利雪技術開発センター長 伊藤 薫 様
沼田町は有数の豪雪地帯で全国でも5番目の降雪量です。 その雪をお米の低温貯蔵に雪エネルギーとして平成8年から世界に先駆けて最初に利用しました。雪を資源として有効に利用することを「利雪」と国が定義しています。沼田町は雪と共生する町づくりを目指し、冬の間に5,000トンの雪山をバーク材で覆い溶けるのを防いでいます。現在は、その雪を多方面に活用しています。今後は雪を活用した沼田町食料貯蔵流通基地構想を計画していますが国や企業の援助が不可欠です。
第3講 「加工用トマトの現状と沼田町農産加工場の取組み」北のほたるファクトリー(株)事業統括部長 仲野 英明 様
沼田町は加工用トマトの一大産地です。農産加工センターでトマトジュース、トマトケチャップなどを加工して販売しています。日本では明治30年代にカゴメ創業者の蟹江一太郎が愛知県東海市で食用トマトの栽培したのが始まりとされています。北のほたるファクトリーはコーミ(株)が3年半前に沼田町から指定管理者の指定を受けて沼田町農産加工場の管理・運営を行っています。沼田町は日本一のトマトの町、コーミ北のほたるファクトリーは日本一美味しいトマトジュースやトマトケチャップを創ることを目標に共同で取り組んでいます。
第4講 「そばと蕎麦打ちの健康効果」 幌加内そばスクール蕎雪庵 辻 美千代 様
そばは世界で注目されているスーパーフードで特に①ルチン②コリン③食物繊維④レジスタントプロテイン⑤マグネシウムです。ルチンは毛細血管の強化と強い抗酸化作用があります。そばの健康効果は①血管疾患の予防②心臓の健康維持③糖尿病の予防④肝機能の改善⑤認知症の予防⑥疲労回復⑦ダイエット効果⑧アンチエイジングがあります。そばは健康に優れた効果があるため「そば粉の配合が多い本物のお蕎麦」を食べましょう。そば打ちの健康効果の「心への働きかけ」として①やる気が高まる②気分転換になる③頭がすっきりする④仲間が増えることにより脳の活性化や認知機能の向上が図られます。そば打ちの健康効果の「身体への働きかけ」として①筋力が鍛えられる②姿勢が良くなる③心肺の働きを助ける④免疫力が向上するが期待されます。「みんなで楽しくそば打ちをして、本物の美味しいお蕎麦を食し、笑顔の輪を広げながら、健康寿命を引き上げる、そば道憲章を実践しながら、元気な笑顔と活力で、健康寿命を引き上げていきましょう」とそばの健康効果について話されました。
第5講 パネルディスカッション「若者とそば」
甫木 美千代女性青年部長(コーディネーター)
「若者とそば」と題して各方面でご活躍している三人の幌加内高校の卒業生の方に、それぞれの活動を発表して頂きます。
女流そば打ち師 三浦 まや 様(パネラー)
自宅や出張でそば打ち体験の受講者のニーズにあった指導です。目標は「一人一人に寄り添う蕎麦打ち体験教室として蕎麦好きが自然と集まってくる場所」にしたい。
そばの坂本工場長 西村 光大 様(パネラー)
そばの坂本工場長としてそば生産から製粉まで全て管理しています。また、外国人でも分かるそば打ち動画のモデルとして東京のスタジオで制作中です。今後は蕎麦界の大谷翔平を目指し、若者にそば打ちの素晴らしさを伝え、ラスベガスで大衆の前でそば打ちを行うことが夢です。
トヅキ合同会社 代表社員 石川 朋佳 様(パネラー)
農家になりたくて幌加内高校に入学しました。現在は、幌加内町からから「ソバ循環プロジェクトプロデューサー」に任命され幌加内高校生と共にプロジェクトをつくり「そばから新商品開発」に取組んで行きます。
閉校式挨拶 沼田雪中そば倶楽部代表 川邉 敏隆
そば大学講座in沼田學舎に多数のご参加を賜り厚く御礼申し上げます。講師を務めた皆様にはご多忙の中、事前準備やご講演を頂き心より感謝申し上げます。これからも各地域でのご活躍とそば道普及に邁進されることを祈念して閉会の言葉とさせて頂きます。